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“SHISAIGA”

「いかるがの里」F10号(1984年9月)
「紙彩画」について
 紙彩画は日本が世界に誇る伝統ある和紙を素材に用いた本格的な美術界の一分野です。
また、日本画の一部門としても、独自の着想を持って研究製作を続けているもでもあります。
 これまで和紙が、純絵画の素材として注目されなかった理由として、絵画に適さないものだと昔から信じられていたからではないでしょうか。私の研究の過程では、各方面からの色々な批判もありましたが、各自が最高と思い、尚且つ美の表現が出来るのであれば、これ全て芸術だと思うのが私の理念です。
 私は今後徹底的に色和紙を追求し紙彩画一筋に一生を掛ける覚悟でおります。今までの絵具では出し得なかったものを、この得意な素材からいかなる表現方法として生まれるかは、これからの研究次第で変わっていくと思われます。
 和紙の持つ伝統的な優雅さ、重厚さ、渋みを失わず日本人の心を動かす暖かい美の世界を作り出すことが出来ると確信しております。
 製作してみてその前途多難な道ではありますが、あらゆる過程を予測し、それを克服することにより、より良い作品につながればと今は思っております。
 最後に、「紙彩画」製作において大変お世話になりました妻屋膠研究所の妻屋弘先生にはこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います。妻屋先生のご協力により開発出来ました紙彩画用の特殊鹿膠(にかわ)の「ドーサー」を糊として使用することにより、今まで問題であった変色の心配はまったくなくなりました。
僭越ながら、私は、今後も「紙彩画」を描き続け、日本の伝統絵画の遺産となるよう努力していきたいと思っております。
日本美術家連盟会員
新美術協会常任審査員
創紙美術協会主宰
牧野成昭(まきのしげあき)


 
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