仏ヶ浦(下北半島)概要: 仏ヶ浦は青森県下北半島西岸の下北郡佐井村南部に位置する名勝です。仏ヶ浦の由来はアイヌ語の「ホトケウタ:仏のいる浜」が転訛したとも言われています。
仏ヶ浦は下北半島の景勝地として知られ主に緑色凝灰岩で構成された岩肌が風雪や海蝕によって大小様々な奇岩怪石が造りだされています。現在でも木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、正面1間向拝付きの地蔵堂には地蔵尊が祀られ恐山の例祭の中日に仏ヶ浦の例祭が行われています。
古くは恐山の参拝の帰り仏ヶ浦に寄る人達も多く奇岩怪石には如来の首、五百羅漢、一ツ仏、親子岩、十三仏、観音岩、天竜岩、蓮華岩、地蔵堂、極楽浜、天蓋岩、極楽浜等の極楽浄土を思わせる名称が付けられ、津軽海峡を三途の川、白浜を賽の河原に見立てた信仰もあり一角には石を積んだ塔婆が建立され信仰の篤さが窺えます。
江戸時代後期には紀行家で民俗学の祖とも云われる菅江真澄が下北半島に訪れた際、当地まで足を運び当時の様子を詳細に記録しています。
明治時代から大正時代の紀行家大町桂月が仏ヶ浦を訪れた時「 神のわざ 鬼の手つくり仏宇陀 人の世ならぬ処なりけり 」の和歌を残し仏ヶ浦のことを絶賛しました。
仏ヶ浦は昭和9年(1934)に青森県天然記念物、昭和16年(1941)に国名勝及び天然記念物に指定され昭和43年(1968)には下北半島国定公園となっています。又、仏ヶ浦は昭和50年(1975)に仏ヶ浦海中公園に指定され平成19年(2007)に日本の地質百選に選定されています。
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